大粒の雨

シチリア州だけなのかそれともイタリア全土なのか、地方選挙が始まっている様子。ただ、日本の選挙とは全く異なり（この島だけなのかもしれないが）選挙カーが走り回ったり、ポスターが張られていたりとかいうことはない。人通りもいつもと変わらない。本当に選挙をしているのかどうか疑わしくなるほどだ。

今日は雨の予報。朝から厚い雲が垂れ込め、時より信じられない程大粒の雨が降った。昼過ぎから風が強くなり、8時ごろには本降りになった。ローマ通のカフェやリストランテは天気にもか関わらず、観光客でいっぱいだった。ただ、強風のあおりでオーニングやパラソルはたたまれていた。少しだけいつもの華やかさを失ったように見えた。

スーパーで食料を買い込みバスで家路に向かう。中心部に向かう道すがら、浜に打ち上げられた一部破損した木造船を見つけた。本当に小さな船。まさかこれに56名も乗ってきたわけではあるまいなと。いつもは白い砂浜が日差しを受けて輝くターコイズブルーの海。今日は白波が立ち、黒ずんで見える。

貧富の差や暴力、人を平和から遠ざける様々な問題は、いったいどうしたら無くなるのだろう。いったいどうしたら、誰もが、幸せな一生を送ることができる世の中になるのだろう。イミグレーションオフィスの横に見慣れない大きな木造船が横付けされていた。今回の難民船が、願わくばこの船であってほしいと思わずにいられなかった。