2019年4月27日土曜日

LCC破たんと、シェンゲン入圏拒否未遂事件と、グリンピースご飯。

SATAというポルトガルの小島を経由するLCCで北米からヨーロッパへ向かう。

余談だが、計画では大西洋越え最安のLCC「WOWエア」を使おうともくろんでいた。3月末に予約は余裕だろうとサイトを開いたら5月まで予約がいっぱいで断念。仕方なく次に安かったこちらにしたした次第。ところが4月初旬、旅程のアドバイスを頂いている影浦氏から「WOWエア経営破たん」のお知らせが。トロントでは大混乱になったらしく、しかも、ほぼ救済措置無しだったそう。今回は運が良かったわ・・・。

5時間オーバーのフライトで晩御飯出るのかどうか分からない。そもそもチェックインカウンターが開いているのかどうかもわからない。空港で探すと、LCCあるあるで、隅っこではあったがカウンターは開いていた。


 荷物のチェックインをお願いすると大丈夫だという。事前にウェブチェックインしているのでさっさと終わるだろうと思っていたが、パスポートを見せろと言う。いわれるがまま見せた。おばちゃんが「あなたビザは?」と。「シェンゲン圏では90日間はビザいらないって聞いてます」「だからそのためのビザよ!」「は?必要ないからとってません」「EUに入れないわよ困ったわね」。困ったのはこっちである。いやな予感がする。僕らが日本を離れている間にEUとの取り決めが変わって入国できないとか?まじで勘弁してくれよ。血圧上がる。となりのおばちゃんと話し始めた。ネイティブが本気のスピードで話すともう何話しているのかさっぱりわからない。となりのおばちゃんも「さあねぇ」みたいな感じ。おいおい。ここにきて何ちゅうことですか・・・。頭痛がしてきた。

おばちゃんが、パスポートを見ながらナンバーを入力し始めた。「日本?」と。パスポートに書いてあるだろうが。「そう。日本人は90日どんなビザもなしでシェンゲンにいることができると聞いている」ほんとなの?みたいな感じ。日本人、殆どこのLCCを利用しないんだろうな・・・と思っていたら、上司が登場。「どうした?」と。「日本人はビザ要らないんだよ」と。だから言ってるだろうが!。後ろから上司らしきおばちゃんがやってきて「あんた、どれぐらいこの仕事してるのよ」と「11か月よ」「あんた、しっかりしなさいよ」という会話の後、やっと荷物を引き受けてくれた。でもトランジットの荷物の受付にも慣れていなかったようで手間取る。まさか、ロストしないよね・・・。怖いなあ・・・。じゃあね!と行こうとすると「発券するから待って!」と。オンラインチェックインは何のためにあるんだ???????と思いながらも発券してもらう。もう、ヨーロッパ行けないんじゃないかと思って血圧が相当上がったよ。原因は中国人と間違えられたこと。彼らはビザがいるらしい。パスポートちゃんと見てほしいなあ・・・。

2時間ほどで搭乗時刻。ポルトガル語のアナウンス。時々英語。英語を聞くとほっとするというのが変な感じ。どこを見てもアジア系は我々だけ。

疲れからか離陸後間もなく気を失った。1時間ほどで目が覚めたら選択肢無しの夕食。パスタ。結構いけた。南米からいらしたというおばさまが話かけてきた。お一人様だという。気楽でいいわと。アゾレス(経由地の島)をハイキングして、モロッコにいる娘たちを訪ねるのと。あなたは観光?と。いや。じゃあ仕事なのね?いやそれも違って、そう活動です。平和の為に映画を作っていますと。まあ、面白いわね。こうやって時々人に話しかけるんだけど、みんなそれぞれの旅の目的があるの。人は興味深いわ。

一通り話し終わってから、おばさまは眠ってしまわれた。多分、このあたりで25日になっている。僕は映画のデザインを考えた。撮れ高は苦戦しているが、内容の濃い旅になっている。アーティストや障害を抱える人、元移民。見る人にどれだけ多様な平和についての考え方を提示できるか。その思いを伝えるための映像はどうあるべきなのか。頭がぼんやりして、向き合っているだけで答えが出ない感じ。
やけに長いフライトだった。たどり着いたのは本当に小さな小島。飛行機は全力で逆噴射をして短い滑走路を無理やり止まった。きしむ機体に乗客は苦笑い。

飛行機を出ると、小さなターミナルらしきもが1か所。奄美空港並みのコンパクトさ。タラップを降りて滑走路から歩いてターミナルに向かう。イミグレーションに向かい、ポルトガルからEUに入った。不愛想な職員がスタンプを押して、最後に「ようこそ」と日本語で。発音いいねと後にした。

物価の高い北アメリカを駆け足で超えた。時差17時間を半月で超えたせいか、体がおかしい。機内に入ると座席にモニターがある。LCCでめずらしいなーと思っていたら全く起動するそぶり無し。乗り継ぎの飛行機では一睡もできなかったが、2時間のフライトはあっという間。朝10時ごろにポルトガルのリスボンに到着。こちらもLCCあるあるで、ターミナルから外れたところで降機させられてバスでターミナルの端っこへ移動。そっから歩いて歩いて歩いてやっとバゲッジクライムへ。なんかここまで長かったなあ・・・。こんにちはポルトガル。


チェックインの時刻は15時。まだ時間があるからラウンジに行こうと。ラウンジ、タダだから使わな損損。んが閉まってやがる。なんでやねん。他にも客が来ては開いてないと引き返す。ラウンジでSIMカードや市内交通機関を探そうと思っていたのに。仕方がないので、SIMを手に入れてとりあえず宿に行こうという話になった。市内で買うのと空港で買うのとではSIMカードはどっちが安いのか調べた。かわらないらしい。僕が通話できるSIMを買って妻はデータ通信のみのSIMにしようと思っていたが、通話とデーター通信込々一択。2人ともそれにした。まあ、日本の格安キャリアのひと月分と同じぐらいの値段で30日ほぼ使い放題だからいいか。

30分ほど到着が早かったがホストのミゲルさんは温かく迎えてくれた。バス・キッチン・トイレは共用だが綺麗で、部屋が広々としていて居心地がよさそうだ。
かおりはベッドに横になるとすぐに寝息を立て始めた。僕ももうなにをする気にもなれず、寝ようと思ったが、フェイスブックの返信があったのでもう少しがんばることに。影浦君やまっしょうとしばらくやりとりしていたらスイッチが切れる感じがした。もう、なにもできない。おやすみなさい。まだ夕方4時ぐらいだったがベッドにもぐりこんだ。


それから何度か目が覚めた。腹が減ったのとトイレ。ミゲルさんに頂いた水をちびちび飲みながら、機内食で食いきれなかったビスケットをかじる。4時に割とはっきり目が覚めて、近所のスーパーの開店時刻を調べたら8時半。結構早いんだなと。またいつの間にか気を失う。

目が覚めると10時過ぎだった。もう恐ろしく体がだるい。動けないと思ったが腹も減った。しばらく倦怠感と空腹が闘っていたが、空腹が倦怠感を凌駕し始めた。シャワー浴びたら元気出るかもと浴室へ。目が覚めた。買い出しと近くの公園を視察に行った。かおりは洗濯。

公園は警察署の間隣にあった。しろつめ草と雛菊がまぶしいこじんまりとした公園。中央にはワインやビールを出すカフェがあり、机やいすが並べられていた。まだ午前中だというのにおっさんふたりがにぎやかに話をしていた。
公園を後にし、メルスーパーへ。カナダと比べると嘘みたいに物価が安い。ビール1L200円しない・・・。ビールが物価の基準になっているのがなんとも・・・。

7ユーロしたが美味そうなコメがあったので買ってしまった。グリンピースの缶詰も見つけた。生鮮食品売り場には肉と野菜しかなかったが、魚が食いたい・・・。冷凍の何だかわからない白身魚をかって、塩胡椒とオリーブオイル、オレガノを購入。表示が全部ポルトガル語。まだ、オブリガードしか知りません。

帰宅して早速調理した。オーナーがアジア系だからか炊飯器があったのだ。グリンピースごはん炊いて、野菜を茹でて、刻んだニンニクとオリーブオイルで魚を炒めた。スゲーいい匂い。だけど、こりゃ他の宿泊客には迷惑かもなと思っていたら。長期宿泊客が「換気扇をまわすといいよ」と教えてくれた。絶対に気づかない場所にスイッチがあった。あと、炊飯器を差しているコンセントは死んでるよ。こっちこっちと。30分後、ヨーロッパ最初の朝食が出来上がった。白ご飯を口にするとグリンピースの甘みが口いっぱいに広がった。うるちまいだ。嬉しい。魚もオレガノとニンニクがいい仕事している。

食べ終わった後、かおりがスーパーと近所の中国雑貨店に行きたいというので外出。気だるく30分ほどで帰宅。

帰ってきたら、またも眠気に襲われた。で、目が覚めたのは夕方。何もせずとも腹が減る。朝食の残りのグリンピースご飯と白身魚。時間短縮で魚を電子レンジで温めたら、ぷりぷり感がなくなった。手間を惜しむとこうなるんだな。

気候がいいおかげで、洗濯物はよく乾く。カナダでためた洗濯物がすべて片付いた。

夕食を済ませ、日記や後回しにしていた物事を片付ける。終わったら寝よう。明日には時差ぼけ治るかな・・・。