2016年03月 ブルガリア・ソフィア

旅のきっかけ
妻の友人ディアナさんが住むブルガリアの首都ソフィア。アフガニスタンやシリアからの難民がトルコとの国境に押し寄せ問題になっている時期にちょうど重なった。絵を描く壁はまだあてがないままに、友人に再会できればと渡航をきめた。ブルガリアでは、難民問題にどのように向き合っているのだろうか。

 壁画を描いた第18ウイリアムグラッドストーン校の授業風景。
飛び込みで壁画の交渉をしたにも関わらず、副校長先生の計らいによりご許可を頂いた。

制作中にブルガリア国営放送の取材を受ける。
難民問題について質問を受け答えに窮する。

完成した壁画を前に妻(右)とディアナさん(左)

ブルガリアには、もう一か所壁画を残しました。
旅を終えて
ソフィアの街並を眺めると共産主義時代の建物やモニュメントがいまだに多く残っていることに気がつく。様々な時代の様々な文化様式の遺跡も。複雑な歴史が織りなしてきた風景は、さながら時を超える宝箱のようだ。一方で、国全体が貧しく、首都で1か月生活しても2万円で済むという。
国営放送の取材を受けた。「日本は移民を受け入れていませんよね」「国境にフェンスを作る予算もない我が国の現状を、豊かな国から来たあなたはどう思うのか」「テロリストが混じっているかもしれない難民とどう共存していけばいいのか分かるか」などといった質問を受け、どれも答えに窮した。お互いに敬意をもって理解し助け合うことが大切ではないのかと答えるのが精いっぱいだった。シンプルな真理が、時として軽薄に響くようにも思えるのはなぜなのだろうか。
壁画の場所