旅のきっかけ
元バンド仲間の友人でサクソフォン奏者、吉澤レイモンド武尊さん。彼のお母さんはフィリピンの出身だ。マニラ市内のアパートメントに壁画を描けるよう、事前にとりなしていただいた。
写真中央が吉澤氏。
現地でのコーディネートはもちろん、制作まで手伝ってくださった。
現地でのコーディネートはもちろん、制作まで手伝ってくださった。
マニラ市内の教会。日本軍とアメリカ軍との市街戦で廃墟になった。
その後、コンクリート片をあつめて再建したという案内があった。
完成した壁画を背景に。吉澤氏(左)とお母様(右)
これまでは、容易に現地調達できるという理由で、制作にスプレーを用いてきた。
思うところがあり、今回は絵画そのものとも真っ向に向き合いなおすことにした。
この壁画は、そうした新たな心持ちで描いた一作目となった。
これまでは、容易に現地調達できるという理由で、制作にスプレーを用いてきた。
思うところがあり、今回は絵画そのものとも真っ向に向き合いなおすことにした。
この壁画は、そうした新たな心持ちで描いた一作目となった。
旅を終えて
首都マニラには戦争の爪痕が多く残っていた。その経緯が刻まれた案内板がいくつもあった。日本軍がやったことだ。ガイドの説明を聞きながら、私はいたたまれなくなった。思わず謝ろうとしたが、遮られた。「過去の事だ。気にするな」
戦時下に幼少時代を過ごしたご老人が言った。「昔は日本人を見ると恐ろしかった。親は私に日本兵を見たら頭を隠せと教えた」
それでもなお、彼らは友好的だった。出会う人のすべてが私たちに対して温かかったのだ。
戦時下に幼少時代を過ごしたご老人が言った。「昔は日本人を見ると恐ろしかった。親は私に日本兵を見たら頭を隠せと教えた」
それでもなお、彼らは友好的だった。出会う人のすべてが私たちに対して温かかったのだ。
壁画の場所