2014年03月 エジプト・ギザ 

旅のきっかけ
記者になった教え子を訪ねるために、エジプトとヨルダンに行く。「エジプトから出て行かない外国人は皆殺しにする」という声明が過激派から出ている。渡航直前にも、シナイ半島で韓国の人が乗り合わせたバスが自爆テロで吹き飛ばされた事件があった。
右が記者の津村氏。左が滞在中お世話になったハッサンさん。

カイロ市タハリール広場。
政府に反対した500人ほどが銃殺され、死体はブルドーザーで谷に捨てられたという。

カイロ市内では毎日テロがあった。間近で自爆テロを経験した。

旧市街を歩いていると、イスラム過激派に影響された若者に道を塞がれた。
若者の腰まわりを見て爆弾がないことを確認してほっとした。

ギザ市のピラミッド通りの壁に描いた壁画。
生まれて初めて東洋人を見た子どもたち。
最初は遠巻きにしていた。最後はご覧の通り。
旅を終えて

中東の状況を本当に良く知っていたら、はじめからここを訪れることは無かったかもしれない。知らぬが仏とはよく言ったものだが、私の場合、それは数奇な運命とでも言うべきものでもあった。未踏の地アフリカ大陸で教え子の活躍を目の当たりにしたいといった単純な考えで出かけた旅が、結果的に私の人生を大きく変えることになった。
自爆テロは毎日あった。外国人に対する激しい排斥も。スプレー缶を探すのにも一苦労ではすまない。壁画を描いている間、拉致されないように護衛がついた。今思うと、そんな環境でよくこんな事をしたと思う。
この訪問で強い衝撃をうけたことが、画家として平和への絆を作る活動を続ける上で、いまだにモチベーションになっている。
後日、この件を記事にしたいという話があった。たったひとつ壁画を描いただけだと断った。では、何カ国描いたら記事にしていいのか尋ねられた。10カ国ですかねと答えた。10カ国描けば、平和へ繋がる何かを生み出せるような気がしたのだ。
壁画の場所