2019年9月21日土曜日

古墳めぐり

9月19日

僕らは無類の古墳好きである。古墳探索のために車内泊して遠方まで行くこともある。で、ここはエジプト、ギザ。世界最古で最大の古墳「ピラミッド」がある。私は5年前の滞在で私は訪れたが、妻は行ったことがない。

ということで、妻をどうしてもピラミッドに連れていきたかったのである。どうやら大変混雑するらしい。僕が訪れたときは、誰もいなかったのに・・・。混雑を避けるために、朝8時には家を出た。移動にはウーバーを使った。運賃300円未満である。ありがたい。ピラミッドへの道がすっきりして、5年前とは全く別の様な有様。違法駐車もなく、皆、ある程度交通ルールを守っている。もはや、世界三大ウ○イ国のひとつに数えることはできないんじゃないかと。

ウーバーの中で流れていたのは、コーランの教えを詩吟のように歌ったものだった。この曲はイスラム教に関係あるのか?と質問したが、英語が上手く通じなくて、洋楽に変えられた。違う違う。グーグル翻訳で「我々はイスラム教にとても関心があります。これはイスラムのコーランですか」と。すると彼は「ナシード」と言った。「アザーンとは違うよね」と聞くと首を振った。そして、ナシードをまたかけてくれた。音楽や快楽に関するものを禁ずるイスラム教にとって、ナシードは音楽ではないらしい。近所の商店でも、テレビからアザーンが流れてきて、その後、ナシードが流れているようだった。

ナシードに耳を傾けながら、ピラミッドを目指した。5年前にハザマ組が手がけているという博物館は未だ建築中だった。検問を通過したら、突然、自称「公式ガイド」だというおっさんが、車の窓から顔をねじ込んできた。「ピラミッド見学は外からの見学と内部見学の2種類のチケットに分けれているのを知っているか」と。「知っているけど、何か?」その後の会話は何を言っているのか全く聞き取れず「ごめん、何言っているのかわからない」と答えた。その後も懸命にガイド証を見せて、車に無理やり乗り込もうとしてきた。「もう、いいから。チケットも自分で買うし問題ないから」と言って、ドライバーさんに行ってくださいと指さした。するとドライバーさんが「バッドマン・・・」と。きっと無理やりガイドをして金をむしり取ろうという魂胆なのだろう。やっぱりウザイな・・・。

チケット売り場まで送っていただいて、ドライバーに五つ星をつけてさようならした。チケット売り場は混雑して見えた。日本人らしき人もいる。近づいてみたら、ツアー客に何やらチケットの買い方を説明している人やそれを聞く人などでごったがえしているだけで、待たずにチケット窓口へ。「コンバインドチケットを2枚」といって「米ドル使える?」と聞くが「ダメだ」と。両替しなきゃと思ったら、横にたまたま両替商がいた。100ドルを渡してエジプトポンドに両替してもらった。彼は計算することなく、エジプトポンドを渡してきた。レートが気になって、かおりに計算してもらったら、なんと手数料なしで「ただ、両替しただけ」だった。なんてこった。欲がないなあ。いや、やっぱりウザくないのかもしれない。

無事にチケットを購入して中へ入場。で、いきなりクフ王のピラミッドがドカーンとそびえる。最初にピラミッド内部に入ろうと思ったが、長蛇の列。どうしようと思っていると、スタッフらしき若者にチケットを見せろと言われる。なんでだと思い渋っていると、通路横の男性が「彼にチケットを見せなさい」と。で、見せた。「内部見学はとても混んでいるから、船の博物館やスフィンクスを先に見たほうがいいと思うんだけど」「そうですね」。かおりも「あとまわしでいいと思う」と。で、ずっとついてくる。かおりが「なんか怪しくない?」と。すると「ラクダに乗ると楽でいいよ、今だったら250エジプトポンド」と営業開始。かおりの予感的中。「いらないから。歩くから大丈夫」と振り切った。本当に500エジプトポンド(3000円オーバー)とか、普通に吹っかけてくる。断ると一気に150エジプトポンド(1000円切るぐらい)まで一気に下がる。もう、何を信じていいのかわからなくなる。降り注ぐ客引きの声を無視しながら歩いていたら、ピラミッドの裏側に出た。前回の訪問では見ることのできなかった、クフ王のピラミッドの裏や、その奥様方のピラミッドを間近で見ることができた。

その後、クフ王の太陽の船を見て、歩きで3大ピラミッドが全て見えるポイントまで歩いて行った。まあ、この間もずっと並走で馬車やラクダの客引きがずっとついてくる。しつこいので「ほっといてくれ」と言ったら「何言ってんだ、ここから5キロぐらい歩かなきゃならないんだぞ」と真顔で馬車を降りて、地面に地図を描き始めた。はいはい。嘘ですよね。目的地、そこに見えてますから。無視して歩く。やっぱ、ウザイなあ・・・。

以前、3大ピラミッドと眺めながら、サハラ砂漠を見た場所はヘリポートになっていた。そこから3大ピラミッドを見渡した。中国からきたという女性が写真を撮ってほしいと。一眼レフを持っていた。かおりの出番だ。何枚か撮ってチェックしていただいた。さすがかおり。一発OK。で、我々もとっていただいた。二人で撮った写真は少ないので嬉しかった。

その後、クフ王のピラミッドに戻った。道すがら、東洋人が珍しかったのだろう。女の子たちに一緒に写真撮影をせがまれた。快く応じた。お別れした後「あ、私の携帯でも撮ればよかったなあ」とかおり。

内部への入場者は激減しており、待つことなく内部に入場できたが、腰をかがめてしばらく上り続ける。内部は結構、高温多湿で汗だくになる。かおりが「まるでサスケをしているみたいだ」と。やっとこさ石棺のある部屋へたどり着いたが、かおりの体力が尽きかけの様子。

外へ出て陰で水分を補給して休んだが、もう、エネルギーがあまり残っていないという。あと、スフィンクスとミイラ工場だけだった。ミイラ工場はそんなに見て「すげー」というところでもないので、スフィンクスだけ見て帰ることにした。
出口のゲートをくぐる前に振り返ると、3大ピラミッドとスフィンクスを全て見ることができるた。そこで撮影をして海外初の古墳巡り終了。

ウーバーで帰宅した。乗り込み「混んでる?」と聞いたが英語が分からないらしい。まあいいや。でも、日本人だというのは分かったみたい。家に無事にたどり着けばいい話だと思っていたら、突然ウーバーが止まった。「あーえー。一分!」と叫んでドライバーが出て行った、何だなんだ?もう一人の男性と出てきた「相乗りですか?」と聞くと「食事はどこに行くんだ?」と。「食事は必要ないんだけど」というと「じゃあ、どこへ行くんだ?」と。GPSでドライバーにはゴール地点は知らせてあるのにどういうことだ?「GPSで指定した場所だよ。いいから放っておいてくれ」と言って軽くキレた。車に再度乗り込むと「すまない。僕は英語が得意じゃないから、英語が得意な人に話を聞いてもらおうと思って」と「いいから、GPSで指定された場所に行ってよ。それと、あんた、英語喋れるじゃないか!それだけ喋ることができればじゅうぶんでしょ!」と。日本人が押しに弱いと思ってどこかに連れていくつもりだったか、それとも、彼の本当の好意だったかは分からずじまい。それからスムーズに自宅に帰りつき5つ星をあげたが、チップはあげなかった。

近所の商店で数日分の食料を買い込んだ。かおりには先に自宅に帰ってもらって、冷凍食品の売っているところにミックスベジタブルを買いに行った。途中、路地で八百屋を発見し、グリーンペッパーを買う。辛いぞ!というジェスチャーをされて、大盛りを渡されそうになったが、こんなに食ったら死ぬ。6本だけ頂いた。昼ごはんと晩御飯のパスタに、みじん切りにしたグリーンペッパーを入れた。すごく辛い。かおりは、辛いものが大好きで平気だ。二人で部屋で食事して、ゆっくりしていたら、胃や腸が燃えるように熱くなってきた。

このグリーンペッパーの強烈な辛さが仇となるのである(続く)

※この観光は僕のへそくりで行きました。